自動売買とはどのような取引なの?
自動売買とはどのような取引なのか、基本から説明しましょう。
FXでの自動売買(システムトレード)とは、「あらかじめ決めた取引ルール」で「自動的に売買する」ことです。
では、「あらかじめ決めたルール」とは何かというと、
- レートが110円になったら買う
- 指標がクロスした
- テクニカルの設定した数値が超えた
といった様々なタイミングを指します。
これらを設定し、システム化することで24時間「自動的に取引」が可能となります。
裁量トレードとの違い
裁量トレードと自動売買では「人が取引するか、機械が取引するか」の違いがあります。
裁量トレードの特徴
裁量トレードというのは投資家自身が「注文のタイミング」や「決済のタイミング」を判断し、自身で取引を行うことを指します。
主にテクニカル分析や、ファンダメンタルズ分析を行ったり、チャートの値動きを予想することで、売買タイミングを見極めます。
しかし、相場状況を正確に把握して値動きの強さや方向性を判断するのは大変難しく、FX経験が豊富な熟練のトレーダーでも迷いが生じたり読み誤ったりすることがあると言えます。
裁量トレードでの取引の判断は人間が行うので初心者であっても上級者であっても、感情や、主観、他者の意見に左右されがちです。 これが「裁量トレード」の一番の特徴と言えるでしょう。
自動売買の特徴
一方で「自動売買」は機械が取引を行います。
「FXの自動売買とは?」でお話しした通り、あらかじめ決められたルールで機械が自動で取引を行います。
そのため、裁量トレードと違い感情や主観といったものが入る余地はありません。
ですが、その設定もトレーダー自身が行うので、選択を誤れば利益を得ることができません。
このように裁量トレードと自動売買で大きな違いがあります。
自身のトレードスタイルに合った手法を選ぶことがFX取引を始めるうえで、重要となります。 もちろん裁量トレードと自動売買を組み合わせて取引するのもひとつの手です。
自動売買で取引するメリット
では、自動売買には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのメリットについて見ていきましょう。
24時間チャンスを逃さない
FXは24時間取引が可能です。外国為替市場では24時間取引がされており「眠らないマーケット」と呼ばれています。
特に取引が活発になるのはNY市場、つまり日本時間の深夜から早朝にかけて値動きが大きくなります。
値動きが激しくなれば利益が大きくなるチャンスでもありますが、さすがに24時間取引画面に張りつくことはできません。
その点、自動売買は、あなたが眠っている間でも仕事をしている間でも、一定のルールに従って自動で売買が行われるため、24時間収益チャンスを逃しません。
感情に左右されずに取引ができる
FXに限らず投資の世界では、「冷静な感情を失い失敗した」というのはよく聞く話です。
たとえば、「含み損が膨らみ損切りの注文を外してしまった」、「ロスカットになり損失を取り戻したい一心で何も考えずに新たなポジションを持ってしまった」など、冷静な判断ができずに失敗してしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。
どんな状況でも冷静に取引をするのには、訓練や慣れが必要です。その点、自動売買は一定のルールに従って機械的に取引するので、注文を出す際に感情に左右されることはありません。
専門的な知識や分析が必要ない
FXの裁量取引を行う場合には、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を行って売買のタイミングを決めるのが一般的です。
世界の金融政策に関わるニュースを見て今後の値動きを分析したり、チャートやテクニカル指標から売買のポイントを探ったり、FXを取引する上である程度の知識が求められます。
その点、自動売買では売買ロジック(売買戦略)があらかじめ取引ツールに組み込まれているものもあるので、難しい分析をする必要がありません。
自動売買で取引するデメリット
反対に、自動売買のデメリットも見ていきましょう。
相場が急変しても臨機応変な対応はできない
たとえば、あなたがレンジ相場に強い自動売買を稼働させていたとします。
ある時、レンジをブレイクして急激な上昇トレンドが発生したとしましょう。上昇トレンドに乗ることができれば大きな収益チャンスです。
しかし、レンジ相場に強い自動売買プログラムでは、上昇トレンドに対応できないこともしばしばあります。自動売買では、あらゆる相場でマルチに働き、常に収益をあげるプログラムというのは存在しません。
いまの相場にあっているプログラムや、自分の投資スタンスにあっているプログラムを見つけて稼働させると良いでしょう。
ツールによっては設定が難しいことがある
自動売買は、難しい知識や分析は不要である一方、取引ツールによっては設定が難しいものがあります。
とくにMT4(メタトレーダー4)と呼ばれる世界的に有名な取引ツールは、自動売買の設定が難しいです。
自分で開発もしくは購入した自動売買プログラム「EA(エキスパート・アドバイザー)」をMT4に自ら組み込み稼働させる必要があります。高額なEAを買ったのに、MT4への設定ができずに断念する方もいらっしゃいます。
その点、当社が提供する「みんなのシストレ」は、自動売買プログラムを無料で自由に選ぶことができ、ボタンをクリックするだけで取引を開始することができます。
FXの自動売買ツールの主な種類
自動売買の取引ツールには、大きく分けて2つの種類があります。
「開発型システムトレード」と「選択型システムトレード」の2つです。それぞれにメリット、デメリットがあり、向いている投資家も異なります。
開発型システムトレード
「開発型システムトレード」は先述した「MT4(メタトレーダー4)」のような取引ツールを総称したものです。
自動売買プログラム「EA(エキスパート・アドバイザー)」は外付けになっており、それをMT4に設定して稼働させる必要があります。外付けのEAは、プログラミング言語を使って自分で作成するか、自分で作成できない場合はプログラミング化されたものを購入します。MT4への設定も複雑なため、上級者向けの自動売買ツールと言えるでしょう。
選択型システムトレード
「選択型システムトレード」は、自動売買プログラムはあらかじめ内蔵されており、その中から選んで取引開始ボタンをクリックすると、自動売買が開始されます。
洋服にたとえると、「開発型システムトレード」はオーダーメイドの洋服であるのに対し、「選択型システムトレード」は店頭に並んだ既製品の洋服から好きなものを選ぶようなイメージです。
既製品から選ぶだけなので、細かい知識は不要ですぐに取引を始められます。その点、初心者向けの自動売買ツールと言えるでしょう。
ただし、既製品の洋服のデザインを変更できないのと同じように、あらかじめ内蔵されている自動売買プログラムの売買ロジックを変更することはできません。
FXの自動売買プログラムの主な種類
自動売買システムには5つのタイプがあります。
リピート注文型
1つ目は、リピート注文型です。
基本的なシステムが決まっていてカスタマイズできる部分だけを投資家が設定して取引を行います。
買値より価格が上昇したら売却、売値より価格が安くなったら購入というシンプルな取引を行うことになりますので、初心者にもわかりやすくおすすめです。
ストラテジー選択型(ミラートレーダー系)
2つ目は、ストラテジー選択型(ミラートレーダー系)で、過去に利益を上げた実績がある投資戦略などがすでに用意されている自動売買システムです。
ストラテジー選択型(オリジナル系)
3つ目は、ストラテジー選択型(オリジナル系)で、あらかじめ用意されている投資戦略のなかから投資家が好きなものを選ぶ自動売買システムです。
戦略を選ぶだけで自動売買できるため初心者にもおすすめのシステムだといえます。
その他
4つ目はストラテジー自己設定型、5つ目はストラテジー開発型(MT4系)です。
この2つのタイプは、投資家自身がシステム開発やカスタマイズする必要があります。そのため、上級者向きのシステムです。
初心者におすすめの自動売買システムは、リピート注文型、ストラテジー選択型(ミラートレーダー系)、ストラテジー型(オリジナル系)です。
初心者向け!おすすめのFXの自動売買システムのご紹介
初心者は、どんな自動売買システムを選べばよいか迷ってしまうものです。そこで、初心者におすすめのFX自動売買システムをご紹介します。
シストレ24(インヴァスト証券)
1つ目は、インヴァスト証券の「シストレ24」です。2016年よりフルオート機能が搭載されました。
シストレ24は、ストラテジー選択型(ミラートレーダー系)の自動売買システムで、多くのストラテジーを揃えています。
iサイクル注文(外為オンライン)
2つ目の初心者におすすめの自動売買システムは、外為オンラインの「iサイクル注文」です。
リピート注文型のシステムで、利食いから損切りまで全自動で売買してくれます。初心者でも理解しやすいことが特徴のシステムです。実際に始める前にデモトレードで操作性などを確認できることもメリットといえます。
また、上昇傾向か下降傾向かのトレンドに合わせて注文を自動的に行う機能を使えば、システムが買い注文・売り注文を判断して取引を行ってくれるだけでなく、トレンドの転換点に合わせて自動で反転取引もしてくれます。
トラリピ(マネースクエア)
3つ目は、マネースクエアの「トラリピ」です。
初期設定がほかのシステムよりも多めで手間が少しかかります。また、スプレッドと手数料も高めという点も難点ですが、オリジナルポイントサービスがお得です。
トラッキングトレード(FXブローネット)
4つ目は、FXブローネットの「トラッキングトレード」です。こちらもリピート型の自動売買システムです。
FXブロードネットのホームページでは4人のトレーダーがトラッキングトレードを実践してガチンコバトルを繰り広げているコンテンツがあります。
運用成績やなぜその設定(通貨ペア・売り・買い等)にしたか、なぜその設定を停止したかなどの解説があるので取引の参考になるでしょう。
ループイフダン(アイネット証券)
5つ目は、アイネット証券の「ループイフダン」です。
シンプルなリピート型のロジックを選ぶだけの設定であるため、初心者でも十分使いこなすことができます。
また、現役トレーダーがループイフダンの実践方法を解説するセミナーが整っていることは初心者だけではなく、シストレ経験者にも心強いでしょう。
取引コストの低さはトップクラスで、スワップポイントが高いことも魅力です。 リピート型の自動売買システムは、取引回数が多くなる手法で手数料などのコストが膨らみがちですが、手数料無料のループイフダンは、収益から引かれる運用コストを抑えることができ、利益アップにつながります。
また、スワップポイントが高いことも特徴です。ループイフダンを使って効果的に利益を出したいと考えている初心者は、アイネット証券のループイフダンの利用を検討してみることをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょか。
自動売買(システムトレード)は、実はとても簡単に設定ができ、裁量取引にはないメリットがたくさんあります。
FXの裁量取引でなかなか利益が出ない方は、自動売買にチャレンジするのも良いでしょう。
また、FXの裁量取引でうまくいっている方でも、裁量取引のヘッジ目的で、投資資金の一部を自動売買にあててみてはいかがでしょうか。