FXにおけるテクニカル分析とは?注意点や指標を解説!

FXで使う2つの分析方法は主に「テクニカル分析」とファンダメンタルズ分析」があります。

そこで、この記事では「テクニカル分析」の基本的な知識について紹介していきます。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の価格推移を元にして相場を予測するので主に過去の値動きを示すチャートを用いて分析します。

価格推移を元にするテクニカル分析には「過去のパターンが繰り返される可能性が高い」との考え方が根底にあるため、似たようなパターンを探して相場予測を立てることが基本です。

チャートは縦軸が価格、横軸が時間軸となっており、時間軸を短期~長期で変えることもできます。

短いものは1分(1分足)から長いものになると1ヶ月(月足)まであり、時間軸・値幅を変えることで通貨が上昇局面なのか下落局面なのか見え方も変わってきます。

チャートの中に移動平均線やボリンジャーバンド、RSI、MACD、一目均衡表といったテクニカル指標を組み合わせて用いることで、相場の過熱感やポイントを視覚的にも理解しやすくなります。

ファンダメンタルズ分析は企業であれば業績や財務状況を分析し、予測することで、その企業の株式を買いなのか売りなのかを判断するものです。国であれば経済状況や財務状況を見て、その国の通貨が上昇するのか、それとも下落するのかを判断します。

テクニカル分析の主な例

テクニカル分析はチャートを使って手軽にできるため、初心者の方でも始めやすい分析手法です。テクニカル分析にはチャートはもちろん、テクニカル指標を用いることが多いです。

テクニカル指標には大きく分けて「トレンド系」と「オシレーター系」と呼ばれる2つの種類があります。

トレンド系

トレンド系は、一般的にトレンドの方向をわかりやすく表示したテクニカル指標です。

移動平均線

移動平均線は一定期間の平均価格を計算し、算出した平均値を連続させて、相場の方向性を見やすくしたものです。

一般的に「ゴールデンクロス」が有名で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ突き抜けた場合は買いサイン、逆に短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ突き抜けることを「デッドクロス」と呼び、売りサインとされています。

一目均衡表

一目均衡表は和製テクニカル指標の一つで特徴的な「雲」という抵抗帯があります。一般的にローソク足と合わせて使用し、5本の補助線(基準線、転換線、遅行線、先行スパン1、先行スパン2)があります。

先行スパン1と先行スパン2の間が抵抗帯である「雲」となっており、この抵抗帯が厚ければ突破はしづらく薄ければ価格変動の前兆と予測が可能です。

一般に転換線が基準線を下から上に突き抜けている場合は「好転」(買いシグナル)、逆に転換線が基準線を上から下に突き抜けている場合は「逆転」(売りシグナル)となり、また遅行線がローソク足を下から上に突き抜けたら買いのシグナルで、遅行線がローソク足を上から下に突き抜けると売りシグナルということです。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で計算された上下の価格帯(バンド)を示したものです。この価格帯は相場のボラティリティーによって大きさが変化するもので、±1σ標準偏差内で動く確率は68.3%、±2σ標準偏差内で動く確率は95.4%とされています。

バンドが拡大傾向にあれば値動きが大きくなっている傾向にあり、縮小傾向であれば値動きは小さくなっている傾向にあります。

ローソク足が±2σを抜けたタイミングで逆張りして戻りを短期で狙うスキャルピング手法で使われるほか、バンドが縮小から拡大傾向にあるタイミングでローソク足が終値で+2σを越えた段階で順張りする(バンドウォーク)を狙うこともできます。

オシレーター系

オシレーター系は、相場の中で買われすぎ、売られすぎを判断するテクニカル指標です。

RSI

RSIは、相対力指数とも呼ばれており、買われすぎ・売られすぎが指数化されたもので、一定期間の相場の「値上がり幅」と「値下がり幅」を基に算出されるものです。

数値は0~100で示され、一般的に70%~80%を超えると買われ過ぎ、逆に20%~30%を下回ると売られ過ぎで反転のサインとされます。

逆張りトレードの参考指標として使われることが多く、持ち合い相場(レンジ相場)で有効に機能しやすいです。逆に相場に強い勢いがあってトレンドが出ている場合は逆張りのポイントでも機能しない場合もあるので注意しましょう。

MACD

MACDは移動平均収束拡散手法とも呼ばれており、移動平均線を発展させてより精度を高めるために開発されたテクニカル指標で、短期の移動平均線と中期の移動平均線の差によって算出されます。

MACDラインとシグナルラインの2本があり、MACDラインが0よりも上にあるときは上昇トレンドで、逆に0よりも下にあるときは下降トレンドになります。

またMACDとシグナルラインのゴールデンクロス・デッドクロスで相場の転換点を捉えることもでき、比較的使いやすいテクニカル指標です。

ストキャスティクス

ストキャスティクスは持ち合い相場(レンジ相場)で、一定期間の高値と安値を元にして現在の価格が買われすぎなのか売られすぎなのかを判断するテクニカル指標のことです。

動きの速い%K(パーセントK)ラインと動きの緩やかな%D(パーセントD)ラインの2つがあります。%Kラインが75%を超す水準では買われすぎで、逆に%Kラインが25%を下回る水準では売られすぎになります。

また、売買の目安として%Kラインが%Dラインを上抜けたら買いシグナル、%Kラインが%Dラインを下抜けたら売りシグナルです。

テクニカル分析の注意点

テクニカル分析は、相場を予測する上で非常に有効な手段ですが、すべてのシグナルが絶対ではない点は理解しましょう。

チャートを使うことである程度の分析は可能となり、強力なサポートライン(それ以上の価格が下落しづらいと思われる水準)やレジスタンスライン(それ以上価格が上昇しないと思われる水準)は初心者の方でも簡単に引くことができるため過度に信頼している場合があります。

また移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスや買われすぎ・売られすぎサインを信じてポジションを持ってしまうことは危険です。

テクニカル指標は視覚的にも相場の方向感を理解するのに役立ちますが絶対ではなく、いわゆるダマシを目にする機会があります。

相場は時に予想もしない出来事の発生で急変することがあり、さまざまな角度から分析することで相場予測の精度を上げることができます。

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析をバランスよく使うことも相場分析のポイントです。

まとめ

テクニカル指標を使った相場分析は初心者の方でも比較的簡単に始めらるので、いくつかのテクニカル指標を使って相場分析をしてみて、自分の手法や考え方に合ったものを選んで使ってみてはいかがでしょうか。

選んだテクニカル指標の長所・短所を知ることで、どのポイントでエントリーしてはいけないか、利益確定・損切はどこですべきなのかが少しずつ理解できるようになるでしょう。

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