ストキャスティクスは、RSI同様で相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する分析手法で、現状の価格が一定期間の高値および安値と比較して、どの位置にあるかで算出されます。
そこで、この記事ではFX取引において重要なテクニカル分析の「ストキャスティックス」の基本情報と活用方法を紹介していきます。
【FX】ストキャスティックスとは?

引用:auじぶん銀行
ストキャスティックス(stochastics)は、トレンドがない相場で売られ過ぎ、買われ過ぎを判断することができるものです。
ストキャスティックスの基本となるラインは「%K」「%D」と呼ばれ、以下の計算式から算出されます。
この式の意味するところは当該期間において現状はその変動幅のどのあたりに位置しているのかを0~100の間で数値化していて、数値が大きいほど レンジの高値、小さいほどレンジの安値に位置していることを示します。
また、一般的にはこの期間を5とすることが多いです。
これは%Kをm日間で移動平均し、滑らかにしたもので、一般的にこの移動平均期間は3を使います。
「%K」と「%D」の二本を使って描かれるものを「ファスト・ストキャスティックス」と呼びますが、これは感応度が高すぎるため、あまり使われるものではなく、一般的に分析に使われるのは「スロー・ストキャスティックス」です。
スロー・ストキャスティックス
「スロー・ストキャスティックス」は「%D」と「SD(slowD)」の二本を利用し、「SD」は「%D」のL日移動平均で、通常この平均期間も3を利用します。
さらに「SD」を移動平均した「SDスロー」と呼ばれるラインもあり、「SD」と「SDスロー」を利用するとより反応が滑らかとなりますが、売買シグナルが遅れるリスクが指摘されます。
スロー・ストキャスティックスの利用方法
スロー・ストキャスティックスを利用する際の方法を紹介します。
1.%D単体の見方
%Dが80%以上では買われ過ぎ、20%以下では売られ過ぎが示唆されます。
また、%Dが80%以上の位置でダブルトップを形成した場合は売り、20%以下の位置でダブルボトムを形成した場合は買いとなります。
2.%DとSDの交差
SDを%Dが下から上へ抜けた時が買い、逆に上から下に抜けた時が売りとなります。
また、この交差が売られ過ぎ買われ過ぎの水準(20%以下と80%以上)で発生した場合、より信頼性が高いと言えます。
3.ダイバージェンス
相場が新高値や新安値を付けたにもかかわらず、ストキャスティックスのほうは高値や安値の更新によってこれを確認できなかった場合は、ストキャスティックスのダイバージェンス・パターン といい、相場の天底の出現を示唆する可能性が高いサインとなります。
ストキャスティックスの注意点
ストキャスティックスは、逆張りのテクニカル分析という性質を持っているため、利益確定は素早く行う必要があると考えられます。
これは、ストキャスティックスの手仕舞いのサインを待ち過ぎると利益を確定するのに出遅れてしまうリスクを意味しています。
また、オシレーター系の指標に一般的に言えることですが、強いトレンドが形成されたときに、ストキャスティックスは上下に張り付いてしまい機能できなくなることがあります。
その意味でも、ストキャスティックスは、相場の細かな波に反応して短期売買を行いトレードに向いているテクニカル指標ということがいえます。
まとめ
ストキャスティクス(stochastics)は、RSI同様で相場の買われ過ぎ・売られ過ぎを判断する分析手法で、オシレータ系の指標です。
他のテクニカル分析と組み合わせることで相場予測の精度が上がることも期待できるので、一つのパターンとして頭に入れておくことをお勧めします。