オプション取引の基礎知識を網羅的に解説! これを見ればすべてがわかります

FXの勉強をしていると、たびたび「オプション」というワードを目にすることがあると思います。

よくわからない単語が出てくると、「やっぱりFXって難しいな」などと思ってしまいがちですよね。

しかし、この記事を読むことで、「こんなに簡単なことだったんだ」ということがわかってもらえると思いますので、言葉の意味が分からなくなったら、何度もこの記事に立ち返って読んでみてくださいね。

オプション取引って何?

オプション取引は、金融派生商品(デリバティブ)のひとつです。

金融派生商品とは、原資産の価格を基準に価値が決まる商品のことです。では、オプション取引における取引形態は、どのようなものでしょうか。

それは、「ある商品(原資産)を、将来の特定の期日(満期日)までに、特定の価格(権利行使価格)で買う権利、または、売る権利を売買する取引」になります。

それぞれ、原資産を買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」といいます。それぞれ、「コールオプションを買う」、「プットオプションを買う」、「コールオプションを売る」、「プットオプションを売る」という4つに分けられます。

  • 原資産
    オプションやスワップ、先物などの金融派生商品(デリバティブ)取引において、対象となる資産のこと。 具体的には、株式、株価指数、為替、債券、商品、金利、信用リスクなど
  • 満期日(権利行使期日)
    オプションの権利を行使できる特定の期日のこと
  • 権利行使価格
    原資産を売買できる特定の価格のこと

オプションの種類は?

オプションには、多くの種類が存在します。以下に代表的なオプションを掲載します。
※商品や市場によって呼び名が異なる場合があります

権利行使のタイミングによる区別
アメリカンタイプ 期間中いつでも行使できるオプション
形態による区別 満期日のみ行使できるオプション
形態による区別
プレーンオプション
(バニラ・オプション)
コールやプットを行う通常のオプション
エキゾチックオプション プレーンオプションに条件を付加したオプション
エキゾチックオプションの分類
バイナリーオプション 満期時に、原資産価格が権利行使価格に達した場合、利益を得られる
レンジオプション 満期時に、原資産価格が特定の価格帯に収まった場合、利益を得られる
ワンタッチオプション 満期までの期間に、一度でも原資産価格が権利行使価格に達した場合、利益を得られる
ノータッチオプション 満期までの間に、一度も原資産価格が権利行使価格に達しなかった場合、利益を得られる

オプション取引におけるプレミアムってどういうもの?

プレミアムとは、オプションの価値のことです。

プレミアムは、原資産価格、権利行使価格、満期日までの残存期間、ボラティリティ(価格変動率)、金利等を要素に計算され、算出されます。

オプションの買い手は、権利行使価格で原資産を取引する権利を得る代わりに、保険料(プレミアム)を支払います。オプションの売り手は、権利行使価格で原資産を取引する義務を負う代わりに、プレミアムを獲得することになります。

プレミアムは、「本質的価値」と「時間的価値」の2つの価値から構成されます。

「本質的価値」は、オプションの権利行使を行ったときに得られる価値のことです。そして、「時間的価値」は、将来の価格変動によってオプションの価値が高まるかもしれないという期待に対する価値です。一般的に、満期日までの残存期間や予想変動率の大きさによって価値が変動します。

本質的価値
イン・ザ・マネー 権利を行使した場合の損益が、プラスの状態であること(本質的価値がある状態)
アット・ザ・マネー 権利を行使した場合の損益が、ゼロの状態であること(権利行使価格=原資産の現在価格)
アウト・オブ・ザ・マネー 権利を行使した場合の損益が、マイナスの状態であること(本質的価値がない状態)
時間的価値
残存期間 満期日までの期間が長ければ長いほど、原資産の将来の価格は不確実性が増していきます。逆に、満期日までの期間が短くなるほど、原資産の将来の価格は確実性が増していき、時間的価値は減少していくことになります。
予想変動率 予想変動率とは、ボラティリティのことです。ボラティリティは、原資産価格の変動の激しさを表すパラメータとなります。ボラティリティが高ければ相場変動の期待度も大きくなり、小さければ期待度は小さくなります。
ボラティリティの種類
ヒストリカル・ボラティリティ 過去の価格変動に基づいて算出される価格変動率のこと
インプライド・ボラティリティ プレミアムから将来の価格変動を予測した価格変動率のこと

また、プレミアムを算出する代表的な理論モデルには、以下の2つがあります。

理論モデル
ブラック・ショールズ・モデル 原資産の現在価格、権利行使価格、残存期間、ボラティリティ(価格変動率)、金利の5つの変数によって、オプションの理論価格を算出する
2項モデル 残存期間を細分化し、原資産とプレミアムの変動を上昇と下落に場合分けして将来の値動きを予測することによって、現在のオプションの価値を算出する

プレミアムは変化していくの?

プレミアムは、ギリシャ指標と呼ばれる要因によって刻々と変動していきます。

ギリシャ指標は代表的なもの以下の4つがあります。

代表的なギリシャ指標
デルタ 原資産価格の変化に対する、プレミアムの変動率を示す指標のこと
ガンマ 原資産価格の変化に対する、デルタの変動率を示す指標のこと
ベガ ボラティリティの変化に対する、プレミアムの感応度を示す指標のこと
セータ 残存時間の変化に対する、プレミアムの変動率を示す指標のこと

まとめ

いかがだったでしょうか。

この記事には、オプション取引に関する基本的なものは、ほとんど網羅的に書き記されています。

専門用語の解説が多く、少々教科書的になってしまいましたが、繰り返し読んで知識の定着を図ってください。

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