FXにおけるOCO注文ってどういうもの? OCO注文の便利な使い分け方を伝授!

FXの取引において、これからレートが上がるか下がるか予測がつかないことは日常茶飯事です。

たとえば、米ドル/円の価格が1ドル=100円のときに、「90円まで下がったら買いたいし、逆に110円まで上がるなら売りたい」と思ったとします。この時に、一度で両方の注文を発注できる夢のような注文方法が「OCO注文」です。

この記事では、OCO注文がどのような注文方法なのか、FX初心者の方でもわかるように解説していきます。

OCO注文の意味

「OCO注文(オーシーオーちゅうもん)」の「OCO」とは、「One Cancels the Other」の略で、2つの注文を一度に発注しておき、どちらかが成立すると、もう一つが自動的にキャンセルになるという意味です。

「これからの相場は読めないけど、上がったら売って下がったら損切りしたい」。OCO注文なら、そんな希望を叶えることができます。どちらも注文しておいて、片方が成立したら、もう片方はなかったことにしてしまう。それが、OCO注文の特徴です。

OCO注文の活用シーン

OCO注文は新規注文の際と、すでにポジションを持っていてそのポジションを決済する際に利用できますが、決済注文で利用するのが一般的でしょう。

決済注文で利用する場合は、「指値」と「逆指値」を使い分けることで利益確定と損切りの両方に対応します。

OCO注文の注文方法の例

では、新規注文、決済注文のそれぞれの具体例を見てみましょう。

新規注文

たとえば、現在米ドル/円レートが100円だとします。また、過去数週間、米ドル/円は95円から105円のレンジ相場が続いていて、今後もしばらくこのレンジ相場が続くと想定しているとします。

この場合、米ドル/円がもし下がったら95円で買い、もし上がったら105円で売りといった2つの新規注文を同時にOCO注文で発注しておけば、どちらか一方の注文が成立すればもう一方の注文は自動的に取り消されます。

現在よりも高いレートでは売り、安いレートでは買いたい場合に有効で、相場が上がっても下がっても、有利なレートで約定するような仕掛け注文ですので、予想通りのレンジ相場が続けば利益獲得のチャンスとなります。

次に、新規の買い逆指値注文と売り逆指値注文を組合せた使い方を考えてみましょう。

たとえば、現在米ドル/円レートが100円だとします。また、ここ数週間米ドル/円は95円から105円のレンジ相場が続いてきていましたが、今後は、95円または105円に到達したらレンジブレイクし、それぞれの方向に流れが加速すると予想しているとします。

この場合、上値の105円に新規買い逆指値注文、下値の95円に新規売り逆指値注文といった2つの注文をOCO注文で同時に発注しておけば、どちらか一方の注文が成立すればもう一方の注文は自動的に取り消されます。

上値抵抗線と下値抵抗線のどちらに抜けるかわからない場合にとても有効な仕掛け注文となります。

決済注文

たとえば、米ドル/円100円で1万ドルの買いポジションを持っていて、現在価格も100円だとします。

買いポジションなので価格が上昇(円安)すれば利益になりますし、反対に下落(円高)すれば損失になります。

そこで、110円まで上昇し10万円の利益が出たらポジションを決済して利益を確定させたい指値注文と、95円まで下落して5万円の損失が発生したら損失を確定したい逆指値注文といった2つの注文をOCO注文で同時に発注しておけば、どちらか一方の注文が成立すればもう一方の注文は自動的に取り消されます。

損失を抑えながら利益も追求したいときにとても有効な活用法です。

注意点

先の事例で見たように、すでにポジションを持っている場合で損失を限定させたいときに使う、決済の逆指値注文について注意事項があります。

それは、逆指値注文はスリッページが発生する可能性があるということです。

スリッページとは、ストリーミング注文や逆指値注文を発注する際に生じる、注文を発注したときのレートと、実際に注文が約定するときのレートの差(ズレ)をいいます。つまり、指定した価格と乖離した価格で注文が成立してしまうということです。

先の例で言えば、95円まで下落して5万円の損失が発生したら損失を確定したい逆指値注文を発注したにもかかわらず、94円で成立して6万円の損失となってしまう可能性があるということです。

とくに流動性が低い新興国通貨ペアなどは、スリッページが発生しやすい時期もありますのでご注意ください。

まとめ

いかがでしょうか。

OCO注文は、一度に2つの注文を同時に発注できる便利な注文方法です。

とくにポジションを決済する際に、利益確定と損失確定のための2つの注文を同時に発注できることは、投資家の皆さんにとって非常に役立つ夢のような注文方法といえるでしょう。

それぞれの売買手法に合わせて、今回紹介したOCO注文や他の注文方法をぜひ活用してください。

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