FX取引を行う際に「通貨ペア」を選ぶ必要があります。通貨の中には、米ドルのような有名通過から一般にはあまり馴染みのない通貨も存在し、それらを取引することができます。
FXにおける通貨ペアについての情報、人気・おすすめの通貨ペアについてこの記事では紹介していきます。
通貨ペアとは?
通貨ペアとは、実際の取引で売買する通貨の組み合わせのことです。
例えば、「米ドル/円」や「ユーロ/円」のように、売買する通貨の組み合わせを「/」で区切って並べて表します。
左側を「基軸通貨」、右側を「決済通貨」と呼んでいます。「基軸通貨」とは、「決済通貨」を取引する際の基準として位置づけられている通貨のことです。したがって、1通貨単位の基軸通貨で、どれだけの決済通貨と交換できるのかをレートで示すことになります。仮に米ドル/円であれば、1米ドルを買うのに何円必要なのかという考え方になります。
なお、「米ドルは世界の基軸通貨」と呼ばれていますが、それはグローバルな金融取引において幅広く基準として用いられているからです。
米ドル/円を買うといった場合は、米ドルを買って円を売ること
米ドル/円を売るといった場合は、米ドルを売って円を買うこと
人気のある通貨ペア
FXではたくさんの通貨ペアの中から取引をすることができます。
その中でも特に人気な通貨ペアをいくつか紹介していきます。
ユーロ/ドル取引 (EUR/USD)
EUR/USDまたはユーロドルは世界で最も取引されている通貨ペアになります。
この通貨ペアが世界最大の経済大国であるアメリカと世界に2番目に大きな経済規模を誇るEUの通貨なので当然と言えば当然です。
ドル/円取引 (USD/JPY
日銀は低インフレと低成長に対する戦いを長年にわたって続けており、結果としてゼロ金利政策やマイナス金利政策を実施してきている経緯が背景があります。
先行き不透明な経済情勢でも円高となることからも、円は資産の安全な避難先として広く認知されており、トレーダーは米ドルについても同様の見方を持っていることから、値動きを複雑にしています。
ポンド/ドル取引 (GBP/USD)
EUR/USDには、ドル・スイスフランやドル円と異なり、米ドルはポンドドルとユーロドルの両方の通貨ペアにおいてクォートカレンシーとなっています。
つまり、ポンドドルとユーロドルは米ドルが弱くなった時に上昇し、強くなった時に下落する傾向が強いという意味です。
ドル/スイスフラン取引 (USD/CHF)
トレーダーは不安定な経済情勢下や市場が急変動している際に有効な低リスクの投資先としてスイスフランを利用します。スイスは安定性や安全性、中立性といった自国に対する信頼を長年に渡って保っていることがこの地位を築いていることが影響しています。
スイスフランは、スイスがユーロ経済圏と密接に結びついているためで、市場のボラティリティが低い時はユーロの値動きに同調しています。
クロス円とドルストレート
FXでは、通貨ペアを総称する際に「クロス円」や「ドルストレート」といった表現もよく用いられます。
「クロス円」とは、米ドル以外の外国通貨と日本円との通貨ペアのことを指します。
ユーロ/円(EUR/JPY)、ポンド/円(GBP/JPY)、豪ドル/ 円(AUD/JPY)、ニュージーランドドル/円(NZD/JPY)、スイスフラン/円(CHF/JPY)、カナダドル/円(CAD/JPY)、南アフリカランド/円(ZAR/JPY)、トルコリラ/円(TRY/JPY)、中国人民元/円(CNH/JPY)、香港ドル/円(HKD/JPY)、シンガポールドル/円(SGD/JPY)
上記は全て「クロス円」です。これに対し、米ドルと米国以外の外国通貨との組み合わせのことを「ドルストレート」と呼ばれます。世界の基軸通貨である米ドルとストレートに交換しているという意味から「ドルストレート」となっています。
もちろん、米ドル/円(USD/JPY) も「ドルストレート」に該当しています。
通貨ペアを選ぶ時のポイントとは?
FX取引の初心者が通貨ペアを選ぶのは適当に選んでも損をしてしまいます。
そこで、通貨ペアを選ぶ際に抑えておくべきポイントについて紹介します。
①流動性が高い通貨ペア
「流動性が高い」というのは、取引がどれだけ活発に行われているかを示すもので、流動性が高いほど自分が希望したレートで取引に応じる相手が見つかりやすい、つまり自分が意図した通りに取引が成立しやすい通貨ペアということです。
逆に流動性が低いと、買いたくてもなかなか買えず、売りたくてもいっこうに売れないという状況になってしまいやすいです。
また、流動性の高い通貨はトレンド(値動きの方向性)が明確になりやすく、対照的に流動性の低い通貨は値動きの方向感がなかなか定まらず、上下に乱高下する展開になることがあり、初心者にとっては取引が難しいと言えるでしょう。
②スプレッドが狭い
スプレッドとは、FX取引におけるコストのことで、誰でもできるだけスプレッドが狭いものを選びたいはずです。
特に初心者は、予想どおりに為替相場が動いた場合であっても、まだ慣れていないので焦って利益確定を急ぐこととなりますが、そうなると、スプレッドが狭くないと利益がさらに減ってしまうのでしっかり確認しておくことをお勧めします。
③情報の豊富さ
有名な通過や国の情勢など情報を入手しやすい通貨を選ぶと良いでしょう。
あまりにも情報が乏しい通貨を選ぶと、手探りでのトレードを進めることになり、非常にリスキーです。
取引を始めた途端に金融政策が見直されて為替相場が急激に変動してしまう、といったことがないような通貨を選びましょう。
まとめ
通貨ペアについては理解できましたでしょうか?
今回紹介した選び方を参考に、自分で取引をする通貨ペアを決めてみてください。スプレッドに関してはFX会社によって異なるので、目をつけた通貨ペアをお得にで取引できる会社を見つけてみると良いでしょう。
そしてネットでは世界中のニュースを見ることができるので、しっかりとその国の金融政策などの動向も見逃さないよう注意してください。