サポートライン・レジスタンスラインの意味・活用方法を解説

サポートラインは、日本語で「下値支持線」といい、チャート上において「この価格より下には下落しないだろう」と意識され、反発する可能性があるラインのことです。

一方、レジスタンスラインは、日本語で「上値抵抗線」といい、チャート上において「この価格より上には上昇しないだろう」と意識されたラインのことです。

投資で勝つためには、サポートラインのような値が止まるポイント(=トレンドが終わるポイント)、もしくは、価格が動き出すポイント(=トレンドが発生するポイント)でトレードすることが重要です。

そこで、この記事では、サポートラインとレジスタンスラインの意味・活用方法を解説していきます。

サポートラインとは

サポートラインは、別名「下値支持線」とも言います。上のチャートのように、価格がサポートラインまで下がってきたら、そこよりも下がらないように相場は反発しようとします。価格が「下値」のラインを越えて下がらないように「支持」する力が働くので、「下値支持線」です。
サポートラインは日本語では「下値支持線」と呼ばれ、下値を支えるラインのことです。サポートラインに接近するところでは下落基調が一度和らぐ可能性が高まるほか、サポートラインを割り込むと下降基調が強まり、トレンドが転換する可能性が高くなります。

サポートラインが近づいているときに、売りポジションを保有している場合は、一度利益を確定することを検討したり、新規の売りポジションのエントリーポイントを探っている場合は一度戻りを待つか、サポートラインを割り込む動きとなった後にエントリーを検討するなどの対策が必要になります。

サポートラインの引き方

それでは早速、サポートラインの引き方を見ていきましょう。

同じ価格帯でチャートの下落が止まっているポイント(安値)を見つけたら、それらのポイントを結んで水平のラインを右端まで伸ばします。

安値どうしを結んでラインを引くだけです。これで、サポートラインの完成です。

 

サポートラインの引き方の例

なぜサポートラインで価格が反発するのか

FX(外国為替証拠金取引)は、世界中の何万人、何百万人もの投資家が参加して取引しています。

その参加者の大半は、ローソク足の安値になっている価格帯を常に意識しています。そして、下降トレンドが続き、価格が最安値付近に近づくほどその意識が強くなります。

さらに、その意識が強くなればなるほど、多くのトレーダーが買い注文を入れたり、売りポジションを持っていたトレーダーは買い戻しをしようとします。つまり、売り圧力より買い圧力が勝つ(=価格に上昇圧力が働く)のです。

同じ最安値の価格帯が2つ以上あると、そこがサポートラインになります。

そして、1つのサポートラインを形成する安値のポイントが、3つ、4つと増えていくほど、そのサポートラインが価格を「支持」する力は大きくなります。これは同時に、売買が激しくなることも意味します。

ただし、サポートラインで価格が必ず反発するのではありません。いずれは、サポートラインを割って下落していきます。サポートラインで反発するのか、それともサポートラインを超えるのかを見極めることがトレードでは重要です。

レジスタンスラインとは

レジスタンスラインは、別名「上値抵抗線」と言われています。

価格が上昇してレジスタンスラインに近づくと、そのラインを超えて価格が上昇しないように圧力がかかります。つまり、「上値」を超えないように「抵抗」圧力が働く線ということですね。

レジスタンスラインはサポートラインとは逆に、上昇しているチャートの上げ止まりの目安として引かれます。

「これ以上は上がらないだろう」と考えられるポイントになり、上値抵抗線と呼ばれます。レジスタンスラインの付近では売り注文が増えて、それまで上昇していたトレンドが下落に転じる可能性があります。

レジスタンスラインの引き方

サポートラインは安値圏の価格帯に引きましたが、レジスタンスラインは高値圏に引きます。

2つ以上の同じ価格帯の高値を見つけたら、その2点を結んで水平ラインを引きましょう。 それが、レジスタンスラインです。

なぜレジスタンスラインで価格が抵抗を受けるのか
ほとんどのFXトレーダーは、チャート上で直近の高値になっている箇所があると、その価格帯を意識します。

そして、上昇トレンドが続いて価格が直近の高値に近づくと、反転を狙った新規の売り注文を出したり、すでに買いポジションを持っているトレーダーの手仕舞い売りが出やすくなります。この時、買い圧力より売り圧力が増えて(=価格に下落圧力が働く)、一時的に反落するのです。

サポートラインと同様、1つのレジスタンスラインを形成する高値のポイントが、3つ、4つと増えていくほど、そのレジスタンスラインが「上値」を「抵抗」する力は大きくなります。

ただし、レジスタンスラインで価格が必ず反落するのではありません。いずれは、レジスタンスラインを突き抜けてさらに上昇していきます。レジスタンスラインで反落するのか、それともレジスタンスラインを超えるのかを見極めることが、トレードでは重要です。

 

レジスタンスラインの引き方の例

サポートライン・レジスタンスラインのポイント

サポートライン/レジスタンスラインを引こうとすると、最初は戸惑う方も多いと思います。どのように引いたらいいか、分からないからです。そこで、初心者の方に特に意識していただきたいポイントが以下の通り。

1. サポートラインとレジスタンスラインはセットで引く
2. 目立った安値や高値が1つだけでもラインは引ける
3. 正確なラインを引こうとはしないこと

それぞれ、詳しく解説していきます。

サポートラインとレジスタンスラインはセットで引く

サポートラインとレジスタンスラインはセットで引くことを私はすすめしています。

価格が上昇するのか下降するのかは、100%は言い当てることはできません。しかし、価格はいずれ、どちらかのラインを抜けることは100%確実です。

そのため、サポートライン、レジスタンスラインの両方を引いて分析しておくと、ライン際で価格が反転するか、ブレイクするか、どちらに動いても対応できます。 そのためにも、サポートラインとレジスタンスラインは必ずセットで引く習慣を付けましょう。

目立った安値や高値が1つだけでもラインは引ける

ここまでは、基本を覚えていただくために、同じ価格帯で2つ以上存在する安値や高値にサポートラインやレジスタンスラインを引いてきました。では、目立った安値(もしくは高値)が1つしかない時は、ラインを引けないのかというと、そんなことはありません。

トレードで安定して勝つために、より多くの情報を基に、正確な分析を行うことが重要だということを、しっかりと頭に入れておきましょう。

単にラインを引くだけでなく、そのラインが形成されるプロセスや、そのポイントで過去に反発したりブレイクしたりしていないかなど、より多くの情報を引き出して正確な分析をしようとします。

正確なラインを引こうとしない

さて、ラインを引く時、ローソク足のヒゲ、実体部分のどちらに引くのか、迷った経験をした方は多いと思います。最初からどちらか絞るのではなく、幅を持たせて考えることをおすすめします。

サポートライン/レジスタンスラインは、安値圏(もしくは高値圏)になっている価格帯を把握するためのものであって、ピンポイントの価格を把握することが目的ではありません。

そのため、最初は、ぴったりの価格を探そうとせず、ヒゲと実体の両方を意識すると良いです。 何度も反転しているラインになると、ヒゲもしくは実体のどちらの価格に設定するべきか、自然と分かるようになります。

サポート・レジスタンスラインの活用方法

サポート・レジスタンスラインの活用方法についてみていきましょう。

トレードで勝つために大事な部分となるのでしっかりと確認してください。

色々な時間軸でラインを引く

色々な時間軸でラインを引くように心掛けましょう。

スキャルピング、デイトレード、スイングトレードなど、あなたのトレードスタイルがどうであれ、最初に長い時間軸を見て、そこから順番に期間を短くして見ていくことがポイントです。

例えば、私の場合、スキャルピングなら1分足をメインで見ますが、いきなり1分足を見るのではありません。トレードを始める前に、週足→日足→4時間足→1時間足→15分足→5分足→1分足と順番に見ていきながら、全体の傾向を把握するようにしています。

また、スイングトレードなら日足や4時間足などの長いローソク足がメインになるので、やり方によっては、5分足、1分足のような短いローソク足を詳しく見る必要はありません。

このように、トレード前に、メインで使っているローソク足よりも長い時間軸のチャートをチェックしておくと、より大きな目線でサポートラインやレジスタンスラインを捉えられるようになります。

面倒くさがらずに、全ての時間足を順番に見て、全体像を把握する習慣を付けましょう。

FXチャートのローソク足、1分足と5分足

 

ブレイクが起きるポイントの予測

サポートラインもレジスタンスラインも、2度、3度と、何回も反転しているほど、強く意識されるラインということは上述しました。しかし、どのようなラインでも永遠に反転することはなく、いずれはどちらかをブレイクします。

FXの相場は、基本的に

レンジ相場 → ブレイク → トレンド相場 → レンジ相場

と推移します。

上昇トレンド相場からいきなり下降トレンド相場になることや、レンジ相場からブレイクを経ずにいきなり強いトレンドが発生することは、まずありません。しかし、繰り返しになりますが、サポートラインやトレンドラインを引くクセをつけていないと、今がレンジ相場なのか、トレンド相場なのかということを判断できません。

ラインの引き方を覚えた上でチャートを見ると、必ず上記の相場の動きが出ていることがわかるようになります。

【レンジ相場】一定の範囲内で値動きが繰り返される。

レンジ相場

【トレンド相場】細かな値動き繰り返しながら大きく上昇または下降する。

上昇&下降トレンド相場

サポートラインがレジスタンスラインに転換するケース

2つのラインは、どちらかにブレイクしながらトレンドを形成していきます。そして、ブレイク直後には2つのパターンが存在します。

すぐにトレンドが発生するパターン
しばらくもみ合ってからトレンドが発生するパターン
前者では、例えばサポートラインを下にブレイクすると、そのまま下降トレンドがいきなりスタートします。この時、何が起こっているのでしょうか?

まず、買いポジションを持っていたトレーダーにとっては、サポートラインをブレイクして含み損に転じることになるので、一斉に手仕舞いしています。それと同時に、新規の売り注文が大量に入り続けています。もう一度上のチャートを見てほしいのですが、Cでサポートラインをブレイクして、下降トレンドがスタートしています。これが、このパターンです。

一方、サポートラインを下にブレイクしても、すぐに下降トレンドにならない場合があります。これが後者のパターンです。この場合、買いポジションを持っていたトレーダーが手仕舞いして一時的に下落しますが、その後、新規の売り注文が入ってこなかったことを意味します。

このように、サポートラインを下にブレイクし、含み損になるポジションを手仕舞う可能性は高くても、新規の売り注文が入るかどうかは別の話です。そのため、ラインをブレイクしたからといって、今から下降トレンドになるかどうか、様子見をするトレーダーも多いです。結果、様々な思惑で売買が交錯し、しばらく上下にもみ合う状態となるのです。

二つのラインは何度も役割を転換する

サポートラインとレジスタンスラインをブレイクすると、役割が転換することはお分かりいただけたと思います。さらに、この転換は一度だけしか発生しないというものではありません。何度でも起こる場合があります。

水平ラインが、サポートライン→レジスタンスライン→サポートラインのように何回も役割が転換することがあります。そのため、Bの時にサポートラインを下にブレイクしたからといって、「もうこのサポートラインを出している意味はない。」と水平ラインを消してしまうと、その後の流れが分からなくなってしまいます。

そうならないように、サポートラインを下にブレイクしたら、次はレジスタンスラインになる可能性があることを頭に入れ、しばらくラインは消さずに出しておくと良いでしょう。

まとめ

ラインを引いたら、その後に価格とラインがぶつかって、どのように推移したのか、よく観察して下さい。ラインを引いては観察、引いては観察を繰り返し、感覚を養うつもりでトレードに臨んでみて下さい。実践しながら徐々にコツをつかんでいって下さいね。

サポートラインやレジスタンスラインは、水平に引かれるだけでなく、一定の水準において何度も反発が繰り返されるような場面では、斜めにラインが引かれることもあります。

サポートラインやレジスタンスラインを割り込んだ後、ラインが役割を換える現象を「ロールリバーサル」と呼びます。

ロールリバーサル後は、サポートラインがレジスタンスラインとして使われ、逆にレジスタンスラインはサポートラインとして使われるケースも見られます。

 

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